【老後2,000万円問題】
—このワードにピンとくる公務員の方も多いのではないでしょうか。
かつては「公務員なら老後は安泰」と言われていました。しかし今、その常識が崩れつつあります。退職金や共済年金に期待していたものの、年金制度改革や物価上昇の影響により、老後資金の不足が現実味を帯びています。
金融庁の報告書でも、高齢夫婦無職世帯は毎月約5.5万円の赤字が出るという試算がされ、30年で約2000万円の資金不足が生じるという事実が話題になりました。

本記事では、「自分には関係ない」と思いがちな現役公務員こそ知っておくべき、老後資金対策の基本と実践法をわかりやすく解説します。今すぐ取り入れられる節約術や制度の活用方法など、今日からでも始められるステップを紹介します。
1. 老後2000万円問題の本当の意味とは
1-1. 毎月5.5万円の生活費赤字が意味すること
2019年に金融庁が発表した報告書では、夫65歳以上・妻60歳以上の高齢夫婦無職世帯における、毎月の支出が約26.6万円、それに対し年金などの収入が約21.1万円で、毎月約5.5万円が赤字になると記されています。
これは一部の特殊なケースではなく、日本の平均的な世帯に基づいた数字です。つまり、公務員かどうかに関係なく、退職後に安定した収入がなければ、誰もが資金不足に直面する可能性があるのです。
1-2. 共済年金の優遇も過去の話に
かつて公務員の年金制度は「共済年金」という独自の仕組みで、民間よりも手厚い内容でした。しかし2015年の制度改正により、共済年金は厚生年金に一元化され、特典の多くは縮小されました。現在では、公務員であっても将来的に受け取る年金額は民間と大差ない水準に近づいています。
また、退職金についても、過去に比べて支給額は下がる傾向にあります。地方自治体によっては制度見直しが進み、今後も減額される可能性は否定できません。
2. 公務員の年金と退職金だけでは足りない理由
2-1. 退職金の減少と医療・介護費の増加
多くの自治体において、退職金の平均額はおおよそ2000万円程度ですが、これが一括で支払われるわけではありませんし、運用を前提としなければ資産としては不十分です。さらに、将来の医療費や介護費を考慮すると、より多くの資金が必要になります。
定年後の生活に必要な支出は、思いのほか多くなるのが現実です。自宅の修繕、車の買い替え、孫への教育援助、突然の入院費など、想定外の支出がのしかかる場面も多々あります。
2-2. インフレが資産価値を目減りさせる
今後も物価上昇が続くと仮定すると、年金で受け取る額の実質価値は下がっていきます。たとえ年金支給額が変わらなくても、生活に必要な支出が増えれば、実質的な赤字はさらに拡大するでしょう。
こうした背景から、公務員でも「年金+退職金」だけで安心とは言えなくなってきています
3. 今からできる公務員の資産形成ステップ
3-1. 支出を最適化する
最初に着手すべきは「支出の見直し」です。
- 住宅ローン、保険料、通信費などの固定費を一度洗い出して、削減可能な部分を調整しましょう。
- 民間保険に関しては、共済制度と重複しているケースも多いため、見直すことで年10万円以上の節約につながる可能性があります。
- ふるさと納税や住宅ローン控除などの税制優遇制度をフル活用することで、可処分所得を最大化する工夫も重要です。
- 日々の家計管理には、無料の家計簿アプリやExcelテンプレートなどを活用すると、見える化によって浪費を防ぎやすくなります。
3-2. 積立投資で「自分年金」を作る
資産を増やすためには、iDeCoや新NISAの活用が有効です。iDeCoでは掛金が全額所得控除され、NISAでは運用益が非課税となるため、いずれも節税と資産形成を両立できる制度です。
例えば、毎月1万円をiDeCoで積み立てた場合、年収500万円の公務員なら年間2〜3万円の節税効果が期待できます。これにより、老後に備える「自分年金」を少しずつ育てていくことができます。さらに、余裕があればNISAでも積立を行えば、分散投資によってリスクを抑えた資産形成が可能です。
4. iDeCoやNISAで「自分年金」をつくる方法
4-1. 制度を知ることが第一歩
iDeCoは60歳まで引き出せないという制約がありますが、その分、老後資金として確実に貯められる仕組みです。一方でNISAは途中で資金を使える柔軟性があるため、教育費や緊急出費に備えることもできます。
両制度を併用することで、リスクを分散しながら中長期的な資産形成が可能になります。特に2024年から始まった新NISA制度では、年間360万円までの非課税投資枠が用意されており、公務員でも十分な運用が期待できます。つみたてNISAを活用した長期運用も、多くの専門家が推奨する手法の一つです。
5. 公務員が見落としがちなリスクと備え
5-1. 子どもの教育費や住宅ローンとの両立
多くの公務員が直面しているのが、教育費や住宅ローンの支払いと、老後資金準備の両立です。特に30代〜40代は、子どもの進学費用やマイホーム取得の負担が重く、なかなか老後に目を向けづらい時期です。
実際、大学進学費用は一人あたり平均で約1000万円前後かかるとされ、これを2人分以上準備する家庭も珍しくありません。教育資金を優先しすぎて老後の準備が疎かになると、「下流老人」予備軍になってしまうリスクもあります。
5-2. 地方公務員と国家公務員の制度差
「公務員」とひとくちに言っても、国家公務員と地方公務員では制度や退職金、年金の水準に差があります。地方公務員は地域や自治体の財政事情により、支給額や昇給スピードに影響が出ることがあり、結果として老後に受け取れる金額に差が出ることも。また、同じ自治体内でも職種(事務職・技術職・消防・警察等)によっても退職時期や年金支給のタイミングに違いがあります。
6. 副業が難しい公務員だからこそ「制度活用」
民間では副業・兼業が広がっていますが、公務員には原則として副業禁止の制約があります。収入を増やす手段が限定される中で、「いかに制度を活かして資産を形成するか」が非常に重要になります。
代表的な制度活用のポイントは以下の通りです
- iDeCo:老後資金専用の積立で、節税と資産形成を両立
- NISA(つみたてNISA):運用益非課税で流動性もあり
- 財形貯蓄制度:給与天引きで強制力を持って貯蓄
- 共済貯金(自治体によっては廃止):金利が比較的高めで安定的
「副業できない」ことを嘆くのではなく、「できること」に集中することで、手堅く資産形成は可能です。
7. 将来に備える「心の余裕」も資産の一部
老後資金対策は、単なるお金の話だけではありません。「将来に向けて準備ができている」という感覚は、心理的にも大きな安心感につながります。これは“心の資産”とも言えるでしょう。
自分や家族の将来のライフイベントを書き出し、それにかかる資金の目安を可視化しましょう。すると、不安の正体が明らかになり、具体的な対策も立てやすくなります。
また、公務員ならではの「異動」や「転勤」といった生活リズムの変化にも、備えをしておくことが重要です。
ライフプランを定期的に見直す習慣を持ちましょう。
8. まとめ:今日から始める老後資金対策
老後の経済的自立を確保するためには、今すぐ行動に移すことが鍵です。。
まずは「現状を知ること」から始めましょう。自分の年金見込額や退職金、生活費の見通しを数字で把握することで、足りない部分が明確になります
iDeCoやNISAなど、制度を活用して自動的に貯められる仕組みを構築することで、無理のない範囲で資産形成を続けられます。さらに、税制優遇を活用することで、節税効果を得ながら将来の安心も手に入れられます。
信頼できるファイナンシャルプランナー(FP)に相談し、ライフプランシミュレーションを行うことも有効です。相談することで、自分では気づかなかった選択肢や、今後の変化に対する備え方も学べます。
公務員であるがゆえの「制度上の制限」を理解したうえで、より堅実な資産形成を実践する姿勢が求められます。公務員は副業に制限がある反面、安定した給与収入があるため、長期的な計画を立てて実行する力があります。この「安定性」を逆手に取り、毎月一定額を淡々と積み立てることが最大の強みです。
最近では、金融リテラシー教育も重要視されるようになってきました。年金・税金・投資の基礎知識を学ぶことで、情報に振り回されず、自分に合った選択ができるようになります。自治体によっては、職員向けにライフプランセミナーなどを開催しているケースもありますので、積極的に参加するのもおすすめです。
「将来に対する漠然とした不安」は、具体的な数字と計画によって小さくなります。退職後に後悔しないためにも、今日という日を「行動の起点」に変えていきましょう。

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