資産計画ラボ

35歳で住宅購入?「頭金ゼロ」vs.「頭金500万円」を徹底比較

――“あなたはどちらでいく?”を数字とライフプランで丸わかり――

今回は、FP相談の中でも多い相談のひとつ、住宅購入時の頭金あり?なし?について
業界歴25年以上、累計2000世帯以上の相談を受けてきた現役FPが実際の相談内容を交えて
お伝えします。これから住宅購入を検討している方の選択に役立てる記事となっています。

なぜ “35歳” が分岐点なのか?

ローン完済年齢が 35年返済なら70歳。
→ 定年 60~65 歳を超えた後に“10年分” の返済余力が必要。
教育費ピーク(子どもが高校・大学)と 住宅費ピーク が重なりやすい。
住宅ローン減税(控除期間13年)のメリットを最大限受けられるリミットが 40 歳前後。

つまり 35 歳は「まだ減税フル活用できる最後の年齢帯」かつ
「家計負担が一気に増える直前」。
頭金戦略を誤るとキャッシュフロー破綻を招きやすい ターニングポイントです。

前提条件をそろえる

項目共通設定
購入価格4,000万円(首都圏・郊外3LDK想定)
借入期間35年(420 か月)
金利タイプ固定 1.20%(2025年7月時点、主要ネット銀相当)
返済方法元利均等
頭金パターンA:0円B:500万円
借入額A=4,000万円/B=3,500万円

諸費用(登記・仲介手数料・火災保険など) は現金 200 万円を別途準備している前提とします。ここをローンに載せるとさらに差が開く点にご注意。

月返済額・総返済額・総利息の差

月返済額毎月差額総返済額総利息
頭金ゼロ約117,000円約49,005,000円約9,005,000円
頭金500万円約102,000円15,000円約42,383,000円約7,883,000円
  • 月差 15,000円 × 12 か月 × 35 年 ≒ 630 万円 のキャッシュアウト差
  • 総利息だけを見れば 約112 万円節約

「じゃあ頭金を入れたほうがトクだよね」で終わらないのが住宅購入の面白いところ。
“500 万円を運用した場合の未来価値” も加えて比較すると景色が変わります。

頭金500 万円を運用した場合のチャンスコスト

年平均リターン35 年後の運用結果(複利)
2%(低リスク債券中心)980 万円
3%(全世界株式インデックス)1,407 万円
5%(株式比率高め)2,787 万円
  • 頭金投入の利息節約:112 万円
  • 運用益見込み:最低でも約 480 万円上回る(年 2%でも)

ローン金利<長期運用利回り になると、頭金をあえて入れず “レバレッジ” をかけたほうが資産形成に有利なケースが増えます。

住宅ローン減税&資産形成まで含む“総合リターン”比較

住宅ローンの損得は「支払利息」だけでは決まりません。借入額が大きいほど ローン減税 の控除額も増え、さらに手元資金を運用に回すと 複利効果 が上乗せされます。ここでは、
①総利息 - ②ローン減税 ± ③運用益 を合算し、家計に与えるトータル影響 を試算しました。数字を一つひとつ分解して見ることで、「頭金を多めに入れる安心感」と「運用チャンスを残すメリット」を可視化できます。

頭金①総利息②ローン減税(13年)③運用益/機会損失家計影響合計
ゼロ‑9,005,000円+約3,300,000円0円‑5,705,000円
500万円‑7,883,000円+約2,894,000円‑14,070,000円(※年3%運用益を機会損失とみなす)‑19,059,000円

頭金ゼロが約 1,335 万円優位 という試算に。
減税メリットは 借入額が多いほど増える 点も見逃せません。

~ライフプラン別“おすすめ頭金戦略~  ※返済比率
25%以下、緊急資金 6 か月分を確保したうえでの目安

頭金の正解は “金額” ではなく ライフプランとリスク許容度 で変わります。表では返済負担を 手取りの 25% 以下、非常時に備える 生活防衛資金 6 か月分 を確保していることを前提に、家族構成・共働き継続率・転勤リスクなど キャッシュフローの揺らぎ要素 に着目して分類しました。まずはご自身のタイプを照らし合わせ、「安全余裕」と「運用余地」のバランスをチェックしてみてください。

家計タイプ教育費ピーク共働き継続転勤可能性キャッシュ優先推奨パターン
子ども0〜1人・共働き10年後高い低い頭金ゼロで流動性確保
子ども2人以上・妻育休中3〜5年後不明頭金10〜20%で負担緩和
転勤多め専門職頭金厚め(20%)で残債リスク低減
早期リタイア志向頭金ゼロ+運用で“出口戦略”

※返済比率 25%以下、緊急資金 6 か月分を確保したうえでの目安

盲点になりやすい “5 つの追加コスト”

住宅購入は「ローン返済=住居費」と思いがちですが、保有しているだけで発生するコスト がまだあります。固定資産税や修繕積立金、将来のリフォーム費まで含めると、月々の返済額に +1〜2割 上乗せになることも珍しくありません。購入前に “ランニングコスト” を把握しておくと、返済比率が予定より膨らんで焦るリスクを大幅に減らせます。

  1. 固定資産税・都市計画税(年 12~15 万円)
  2. 管理費・修繕積立金(マンション:月 2~3 万円)
  3. 火災保険・地震保険(5 年更新:一括 15~20 万円)
  4. リフォーム・設備交換(10~15 年後:200~300 万円)
  5. 売却時コスト(仲介手数料 3%+税、抵当権抹消 etc.)

頭金や返済額だけで判断せず、“保有コストのライフサイクル”
見える化しておくと安心です。

ケーススタディ:借入額 4,000 万円 vs 3,500 万円のキャッシュフロー


モデル家庭:夫 年収 550 万・妻 350 万、子ども 2 人(2 歳・0 歳)

教育費ピーク:12 年後から 10 年間で 1,500 万円

老後資金目標:60 歳までに金融資産 3,000 万円

頭金貯蓄推移(子 12 歳時点)老後 60 歳時点資産退職時住宅残債
ゼロ1,220万円3,350万円1,070万円
500万950万円2,610万円940万円

頭金ゼロ のほうが運用リターン効果で貯蓄残高が多く、老後資金目標を上回る結果に。
ただし 退職時に 1,000 万円超の残債 がある点は要チェック。“繰り上げ返済 or ダウンサイジング” を前提に戦略を立てる必要があります。

まとめ ― 正解は“金額”より“戦略”で決まる

8.まとめ ― 正解は“金額”より“戦略”で決まる

  1. 返済差額 1.5 万円 vs. 頭金 500 万円の長期運用益
    • 金利<利回りなら頭金ゼロが合理的
  2. 流動性=リスク耐性
    • 教育費・転職・病気等の“もしも資金”をどこまで手元に残すか
  3. 住宅ローン減税・金利優遇の影響を忘れない
  4. 出口まで描く(繰上返済・住み替え・売却)
    • “残債<売却価格” をキープできる頭金ラインも目安の一つ

頭金は「安心代」でもあり「機会損失」でもあります。
あなたの価値観・金利観・ライフプラン次第で最適解は変わる――だからこそ
“数字で検証” してから決めましょう。

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ABOUT ME
伊勢田里美
\あなたの人生に寄り添うファイナンシャルプランナー/ 保険業界・現FP業を通算25年以上。 これまでに2,000世帯以上のご相談実績があり。 教育資金・住宅ローン・老後資金・相続などの悩みに対し、 ライフプランを軸とした資産形成のサポートを行っています。 お金の不安を希望に変え、「自分らしい人生設計」ができるようアドバイスしています。